アンバサダー5000は軽視されている。使い込みインプレッション
今回は、私のお気に入りのベイトリールの1つである「アンバサダー5000」について書いていこうと思います。
真っ赤なボディが特徴的なアンバサダー5000。このカッコ良すぎる見た目にもかかわらず、実際に使用している人を釣り場で見かける事はほとんどありません。
近年、渓流ベイトフィネスをはじめとしたアンバサダーブームが(少しだけ?)到来していますが、そのブームの中心は2500cであり、私のお気に入りであるこの赤い5000が脚光を浴びることは少ない状況です(笑)
実際、中古市場でもアンバサダー2500シリーズや5500シリーズは取引価格がどんどん上がっていますが、この5000は現在でも10,000円から20,000円程度で購入できますし、、
同サイズの5500シリーズはナマズ釣り等でそこそこ人気はあるのですが、なぜ赤の5000の人気は今ひとつなのでしょう?これは恐らく赤の5000が5000がシリーズの中でも初期モデルであるため、ギア比が極端に低いことや、スプールにボールベアリングが装着されていないことが理由だと思います。
ギア比も然りですが、ベイトリールのスプールにベアリングが搭載されていないというのは、現代のベイトリールを知る人にとって「飛距離が出なさそう」という印象を持たれる要因になります。この様な幾つかの理由から、アンバサダー5000はシリーズの中でも性能的に劣るという印象を持たれているのだと思います。
確かに、後に登場したボールベアリングを搭載したモデルと比べると、いくつかの面で性能が劣るのは事実ですが、
現在は様々なカスタムパーツが存在するではないですか!
アンバサダー人気が再び上昇してきた近年、アンバサダーの性能を現行リールかそれ以上のレベルまで引き上げるカスタムパーツが、さまざまなメーカーから発売されています。これらのカスタムパーツを導入することで、現行リールに一ミリも引けを取らない性能を付加することができるのです。
今回は、実用面で劣るノーマル状態ではなく、誰にでもできるレベルの簡単なカスタムを施したアンバサダーがどの様に進化するのか?カスタム後さらに3年間使い込んだ私の主観でアンバサダ−5000を紹介していこうと思います。
(3年間使い込んだアンバサダ−5000)
ノーマルでも超軽量なフレーム
まず最初にアンバサダーの重量について語りたいのですが、アンバサダーシリーズのオールドモデルは、使用されている部品の多くが金属製であるため、現行リールと比較するとかなりの重量感があります。
5000番台のシリーズではノーマル状態で300gを超えるのが一般的で、330~370g程度のモデルが多くなります。しかし、初代アンバサダーである赤の5000はフレームを含む主要な部分がアルミで作られているため、
ノーマル状態であっても270g
という、5000番台のオールドモデルの中では随一の軽さを誇ります。
(軽量スプールの場合は240g台)
他社から出ているカスタムスプールを導入することで、リール全体の重量を240g台にまで軽量化することが可能です。これは、現代のパワー系ベイトリールとほとんど同じ重さであり、私が5000番代のアンバサダーの中で、赤の5000を特に使いやすいと感じる理由のひとつです。
ベアリングの搭載
また、カスタムスプールにはボールベアリングを誰でも簡単に組み込むことができるため、好きなベアリングを用意し導入することで、「ベアリングなし」という弱点を補い、他のカスタムモデルと比べても遜色のない性能を獲得する事ができます。
ちなみに、カゴ釣り等の重量物を飛ばすのではなく、バスやナマズといった一般的なルアーフィッシングで使用するのであれば、アニー釣具さんから出ているHXRセラミックベアリングが最も相性が良いと思います。
一般的にベアリングにはオイルを刺して使用するものですが、アンバサダーではその構造上キャスト時に様々な部分に抵抗が生じるため、ノーオイルでの使用であってもトラブルレスにルアーを投げる事ができます。
(セラミックベアリングの搭載でさらに軽いルアーを扱える様になる)
ギア比の改善
また、アンバサダー5000のギア比は3.1:1と非常に低く、ハンドル1回転で40cmほどしかラインを巻き取れないため、実釣面では不利になることがあります。
しかし、ここもパーツメーカーからカスタムギアを購入し組み込むことで、60cmまで巻き上げ量を改善することが可能です。
ただし、この低すぎるギア比もアンバサダー5000の「味」のひとつでもあり、あえてノーマル状態で使用するのも楽しみ方のひとつです。
私は2代のアンバサダー5000を所有し、1代はカスタムギアを導入し、もう一つはノーマル状態で使用しあえて不便を楽しんでいますw
でもまあ、普通は1台しか所有する事はないと思うので、快適に釣りをするためにギア比は絶対に変えた方が良いと思います。組み込むギアは、ポンコツレーベルさんから出ているギアセットで決まりです。ギアの噛み合わせもよく非常に快適にラインを巻き取れる様になります。
独特なクラッチ音
次はクラッチの話です。私がアンバサダー5000を特に気に入っている理由のひとつに、
クラッチ音が素晴らしすぎる
というのがあります。
他のアンバサダーはクラッチを切る際に「キン」という高い金属音がするのですが、アルミフレームで組み上げられている5000は「カタン」という低い音がするのです。この音が私は大好きで、家の中でクラッチをカタカタ動かしながら楽しんでいる事すらあるほどです(笑)
私の実釣動画を見れば、その音の良さが伝わると思います!
見た目の魅力
そして何より、アンバサダー5000の最大の魅力はその見た目にあります。私の中では、シリーズの中で最もデザインバランスが取れているのは5000番台であり、特に赤く輝くアルミボディは圧倒的な存在感を放っていると思うのです。
また、カスタムによりどのハンドルを装着するかによって、その雰囲気をガラリと変える事ができます。ノーマルの小型ハンドルも味があってとてもカッコ良いですが、私はウッド製のノブを装着したハンドルを選びました。
釣り場でこのリールを使っていると、「どうだ、これがアンバサダー5000だ!!」と勝手に満足感を覚えテンションが上がってきます。
この見た目のリールが現行リールと遜色なく使えるのなら、もはや使わない手はありません。
楽しい釣りに欠かせない一台
この様に、近年様々なメーカーから販売されているカスタムパーツを組み込めば、何かを我慢してこだわりのために使用するという要素は完全に排除され、何の不自由なくアンバサダーを使用することができます。
しかも、この赤の5000に関しては1万円代で購入することができるため、ベアリング、マグネットブレーキ、軽量スプール等全てを搭載しても3万円程度でフルカスタムアンバサダーを手に入れることができます。
何度も言いますが(笑)、道具を楽しむ釣りをしたいなら赤の5000を使わない手はありません。
カスタムパーツが知られていない、低機能だと思われている。いくつかの理由から誰もが見向きもしないリールだからこそ、所有者だけが気がつく途轍もない価値がある。それが赤の5000なのです。
(所有者だけが気がつく圧倒的満足感)