”匂い系の釣り”を考える。 釣り場で採取した餌は必ず破壊して使え!
今日はウナギ釣りに使う餌をとりに、秦野にある金目川へ行ってきました。今回餌として捕獲したのは、葦際に隠れる小鮎と、手長海老です。
(稚鮎)
(手長海老)
これだけ取れれば、今シーズンウナギ釣りをする分はあるでしょう。せっかく餌の写真を貼ったので、今回はウナギ釣りに関わりのある記事を書いていこうと思います。
ウナギを始めとする”匂い系の釣り”を考える。
ウナギやアナゴの投げ釣りのように、魚の嗅覚を生かして釣りを行う‘‘待ちの釣り’’は、餌が発する匂いによって、魚を仕掛けのある場所までおびき寄せる釣りです。
その代表格がウナギのブッコミ釣り。
ウナギ釣りでは、よく『その川に住む鮎か手長エビを使え!』という言われがあるわけですが、実際、現場で採取した鮎や手長海老を使っても、そこまでずば抜けた釣果になる事はあまりありません。
むしろ、場合によってはミミズの方が断然食いが良いことも。
確かに、現場採取の餌は『その川に住むウナギが日常的に食べている』という理由から、そこそこ安定した釣果を得る事ができます。
しかし、こういった現場調達系の餌は、どんな使い方をするか?によって大きく食いに差が出る餌でもあるんです。
上手く使いこなす事ができれば、ミミズに匹敵、もしくはそれ以上の餌になりますし、単に周囲と同じような使い方をしているだけでは、無難な餌の領域を出ることはありません。
今回は、最近シーズンに入ったウナギ釣りを例に取り、匂いで誘う‘‘待ちの釣り’’を考えるにあたって、非常に重要な原理をご紹介します。(と言ってもあくまで主観的なモノですが)
鮎をぶっ込めば、その匂いを感知してやってくる?
『その川に住む鮎や手長海老を餌に使えば、ウナギは沢山釣れる!何故ならその餌の匂いは、普段から食べている餌の匂いだからだ!』
ウナギ釣りでは、よくこういった主張を耳にします。 確かに、普段から魚が食べている全く同じ餌を使えば、食わない理由は見当たりません。私も『釣れる』という部分に関しては激しく賛成です。ただし、『同じ匂いだから』という部分に関しては、どうでしょうか?
例えば、神奈川県の相模川で、現場で採取した鮎を餌にウナギ釣りをするとしましょう。その時、ウナギ達はその鮎の匂いを頼りに、仕掛けの元まで辿り着くのでしょうか?
餌に使っている鮎と全く同じ鮎が、周りには大量にいるのに?
別に私達が投げ込んでいる鮎がいなくたって、ウナギの周囲はそもそも鮎だらけです。周囲に1一万匹以上の鮎がいるのに、そこに鮎をもう一匹投入したところで、はたして『お!?近くに鮎の匂いがするぞ!』とウナギはなるのでしょうか?
嗅覚に限らず、動物が持つ五感は全て、
『周囲と比べて相対的にどうなっているのか?』を認識する事しかできません。この世で一番臭わないモノは鼻水であるように(笑)、全ての動物は、常に接しているモノを‘‘匂いである’’と認識する事はできないのです。
現場で採取した餌をそのまま投げ込んでは、周囲(同じ種の魚)の匂いに紛れてしまう可能性が高い。ウナギ釣りのように匂いで魚をおびき出したいのなら、その餌には必ず非日常的な匂い、イレギュラーが必要です。
だから、現場採取の餌は、必ず破壊して体液を出す事。
この作業が、私たちの使う餌に周囲の鮎との相対的な違いを生み出します。
ちなあみに、ミミズが多くの淡水魚に効く万能餌である事は、このことからも理にかなっています。
嗅覚を攻める全ての釣りに通ずる。
ウナギ釣りに限らず、全ての釣りに使える原理と言ったら、ちょっとかっこつけ過ぎかもしれませんが、私はこの‘‘餌の匂い’’に対する考え方は、それくらいに重要な原理だと思っています。
カレー屋で働くと、自分の服がカレー臭くなっていることには気づきません。しかし道端を歩いていてどこぞの御宅からカレーの匂いがすれば、即座に『この家、今日はカレーか!』と 気づく事ができます。
その理由は、カレーが臭いからではなく、カレーの匂いが相対的に周囲の匂いと異なっているからです。
今回話した餌の匂いに関する話は、このカレーの例と全く同じ。匂いの釣りにおいて重要なのは、周囲との匂いの『差』をどのようにデザインするか 。
釣行時に使用している仕掛けや釣り方に関しては、当サイト内にある『魚種別釣れる構造』に記載しています。一読するだけで後の釣果にかなりの違いが出てくると思いますので、興味のある方は目を通していただければと思います。
魚種別釣れる構造→https://kishitsuri.com/1515-2/